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選び方次第!【コープと生協の違いって何?】生活を変革した秘密を知って賢く利用しよう

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  • コープと生協って何が違うの…
  • そもそもコープってなんの略なのかしら…
  • 利用するにはモヤモヤして一歩を踏み出せない…

「コープ」も「生協」も本来は同じ意味です。しかし、「コープ」と名がつく場合は「店舗」や「宅配」、「サービスの名称」につくことが多いです。「生協」の場合は「大学生協」や「職域生協」「医療・福祉生協」などの限られたコミュニティでの活動で多く使われます。

この記事では、あえて「コープ」と「生協」のそれぞれ呼び方の違いを考えてみます。記事を読むことで、違いが理解できて迷うことなく安心してコープ(生協)を利用できるようになります。

コープと生協は意味としては同じ

コープは「協同組合」の意味を持つ「Co-operative」の初めの文字「CO-OP」を日本語読みにしたものです。生協という名称は「生活協同組合」の略称になりますので「コープ」も「生協」も同じ意味です。消費者である私たちひとりひとりと生産者がともに協力して運営する自主的な組織を「協同組合」といいます。

生活協同組合以外の有名な協同組合

農業協同組合や漁業協同組合、畜産農業協同組合、森林組合が有名です。金融系でいうと信用金庫、労働金庫、信用組合が協同組合の活動になります。

あえてコープと生協の違いを考える

「コープ」と名がつく場合は「サービスの名称」として「店舗」や「宅配」などで多く使われます。「生協」の場合は限られたコミュニティでの活動。「大学生協」や「職域生協」「医療・福祉生協」などで利用されていることが多い印象です。

コープの種類

  • 店舗
  • 宅配
  • 商品やサービス

店舗

店舗では「コープ」という文字が多く使われています。国内全ての店舗というわけではありませんが「コープ」や「CO-OP」の表示で目につきやすく、わかりやすくしている印象です。

店舗例
コープみらい、ユーコープ、COOP SAPPORO(コープさっぽろ)、コープ東北、COOP IWATE(コープいわて)、コープきんき、etc

宅配

共働き家庭が増えた現代では盛んな宅配サービスですが、コープの宅配はそのはしりのような存在です。日本のコープ発祥の大正時代のころから台車に積んで配達するいわば宅配を行っていました

宅配サービスの例
コープデリ、おうちコープ(ユーコープの宅配)、トドック(コープさっぽろの宅配)etc

「個配」と「班配」の違い

宅配には「個配」と「班配」があります。「個配」は個人宅、「班配」は複数の消費者でチームを組んで、まとめて配達してもらう方式です。生協が発祥のころは「班配」しかありませんでしたが、女性の社会進出で時代の変化とともに個人宅に宛てた「個配」という形が成立。90年代を境に「個配」が急激に増え、現在では「個配」がメインになっています。

商品やサービス

食品や日用品、共済(保険のようなもの)なども「コープ」と名づくことが多いです。

商品やサービスの例
コープたまご、コープ牛乳、コープ食パン、コープティッシュ、コープ共済たすけあいetc

生協の種類

  • 大学生協
  • 職域生協
  • 医療・福祉生協

大学生協

学生の生活に必要な教科書や生活必需品の販売、食堂の運営、海外研修や国内旅行の手配などのサポートをメインの活動としています。学生自身が主体となって組織を運営して組合員(学生たち)の利便性の向上を目指しています

全国の大学生協

会員組合員数:1,565,091人(2023年9月30日現在)

会員組合員数:213会員(2023年12月末現在)

会員からの出資金:9億7,445万円(2023年9月30日現在)

会員合計事業高:1,355億円(2022年度)

»全国大学生活協同組合連合会:公式HPより引用

職域生協

特定の企業に勤める人々のための生協で、同じ職場で働く人たち自ら店舗や食堂の運営、共同購入などを行う活動です。質の高い商品を組合員に提供し、福利厚生事業や組合員同士の交流を深めるためのコミュニティ活動などもあります。より良い職場環境と生活環境のための組合員(従業員)の生活を広い範囲にわたってサポートするサービスが特徴です。

医療・福祉生協

特定の地域の住民が健康と医療についての問題を話し合いながら、出資金を元にして医療機関を持ちます。従事する職員も加入しており住民と医療の専門家が意見を交換しながら運営するしくみです。医療や福祉サービスが必要な人びとに適切な価格で提供することを目的にしています。

日本生活協同組合連合会とは

全国にあるコープは、協同組合の理念に従ってそれぞれが独自に運営している組織です。しかし、日本生活協同組合連合会という全国レベルの連合会があり商品開発を行いながら各生協に商品やサービスを提供しています。いわば全国にある「独立運営しているコープのためのコープ」といえるのが日本生活協同組合連合会の位置づけです。

代表的なコープ

全国には564の生協が活動(2022年11月14日現在)していますが、私たちの身近にある代表的なコープの店舗と宅配サービスを6つ紹介します。

コープデリ

1都7県(東京都・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・長野県・新潟県)で店舗を持つコープで、宅配サービスも提供。コープの安全・安心な新鮮野菜をはじめとした食品や日用品を店舗で販売したり、家庭に届けるサービスを行ったりしています。

地域社会への貢献活動も積極的に行っており環境保護活動や地域のイベント支援などを通じて地域と共に成長していくことを目指しています。

コープみらいとは?

1都3県(東京都・埼玉県・千葉県)におけるコープデリの店舗を「コープみらい」と言います。ちなみに他県にあるそれぞれのコープは、いばらきコープ、とちぎコープ、コープぐんま、コープながの、コープデリにいがたと呼びます。

時短なべ
時短なべ

「コープデリ」は、お試しセットの値段が安くて、そのわりに種類も豊富です。食材以外の日用品も多数取り扱っていてコープの店舗と同じ価格で届けてくれるので便利。

パルシステム

1都11県で展開する生活協同組合で特に宅配サービスに重点をおいており店舗は少なめ。有機野菜の扱い、農薬や添加物をできる限り使わないなど質の高い商品の提供に努めています。食品の安全性や生産背景についての情報提供を通じて消費者の食生活をサポートしています。地域の文化や環境にも配慮した活動を展開しながら持続可能な社会作りの活動が特徴的です。

時短なべ
時短なべ

オーガニックや自然派商品に特化して品質にもこだわっています。安全性と環境への配慮も徹底してるので安心して利用ができます。

ユーコープ

神奈川・静岡・山梨3県で店舗と宅配サービス(おうちコープ)を展開するコープです。地域密着型のサービスを展開しながら食品の宅配サービスだけでなく子育て支援や地域のボランティア活動にも力を入れています。

ユーコープの特徴は会員との密接なコミュニケーションを大切にしており、会員からの意見を反映した商品開発やサービス改善に努めています。サステナブル(持続可能)な取り組みにも積極的でエコフレンドリーな商品の取り扱いやリサイクル活動が特徴

時短なべ
時短なべ

「おうちCOOP(コープ)」はミールキットが安く、離乳食も扱っています。「子育て割」という妊娠中の方と3歳未満のお子さんがいる場合に宅配サービス料が無料になるという新米ママにはうれしいサービスもあります。

お求めやすい価格でご提供!

コープさっぽろ

北海道地域を中心にサービスを提供するコープで食品の宅配サービス(トドック)に加え、地域の特産品の販売にも力を入れています。農家と連携することで新鮮で安全な食材を提供することにより地域経済の活性化にも貢献。冬期間の除雪支援や災害時の支援活動など地域の安全・安心にもつながる活動を展開しています。

時短なべ
時短なべ

「なるほど商品」を独自に企画。「米油であげて塩だけで味付けしたポテトチップス」は1週間で2万個、「道産生乳とてんさい糖だけの飲むヨーグルト」は発売3か月で10万本を販売。

冷蔵・冷凍品もまとめて置き配!

コープ東北

東北地方を中心に活動するコープで地域の人々の生活をサポートする多様なサービスを提供しています。食品の宅配サービスはもちろん、地域特有の課題に対応しながら子育てを頑張るパパとママを支援するなどの活動が特徴です。

東北地方の豊かな自然を生かした商品開発にも力を入れ地域の魅力を全国に伝える役割も担っています。震災復興支援などの地域が直面する課題解決に向けた取り組みにも積極的です。

時短なべ
時短なべ

それぞれの店舗で自主基準を設定して検査や点検を実施、安全・安心な食品を供給することに努めています。

個人宅配で楽ちんLife!

コープきんき

近畿地方を中心に活動するコープで、日常生活で必要な食品や日用品の宅配サービスを提供し、忙しい現代人や共働きママの生活をサポートしています。地域の生産者と連携して新鮮で安全な食材の提供に努めることで消費者と生産者がお互いにメリットをもたらしています。

環境や社会に配慮したエシカルな消費に対する取り組みに積極的で、地域の文化活動にも参加。地域社会の発展に貢献しながら誰もが安心して暮らしていける地域社会づくりに参加することを目指しています

時短なべ
時短なべ

「エコ」「もったいない」「おたがいさま」のエシカルな活動のより具体的な実現に向けて積極的に取組んでいるのがコープきんきです。

くらし+ゆとり コープの宅配!

コープ(生協)の誕生

19世紀のイギリスで発祥

コープ(生活協同組合)の始まりは1844年にイギリスのロッチデール村の「ロッチデール公正開拓者組合」です。ロッチデール村は織物作りで生計を立てる貧しい村人たちの集まりでした。食品を扱う商人たちは村人に粗悪品を売ることを日常としていて中には藁(わら)クズを混ぜ込んだパンを売ることもあったほどです。

商品をツケで買わせてもらっていた村人は粗悪品を売りつけられても何も言えませんでした。現状に不満を持った村人たちは混ぜものがなく、ごまかしもない商品を手に入れるために話し合いを重ねます。日々の苦しい生活の中から週に2ペンスずつ積み立てていき1年で1ポンド(100ペンス)ずつ出資。村人たちが協同することで食料品を独自に仕入れて分配するシステムを構築したのです。

初めのころは小麦粉、バター、砂糖、オートミールの4品のみの扱いで始まったコープ(生活協同組合)の活動でしたが、1800年代後半にはヨーロッパ全土に広がります。1900年代にはヨーロッパを超えて世界中に定着していき現在では国際協同組合同盟(ICA)に加盟する協同組合は世界の93か国へと広がり10億人を超えるといわれています。

日本での始まりと賀川豊彦

日本での生協の起こりは、1920年(大正9年)に賀川豊彦が広めた活動といわれています。当時の日本でも市場の食料品の質が悪かったことから消費者自らが出資して購買活動に参画する協同組合が活発化する元となりました。1921年には現在のコープこうべの前身となる神戸購買組合と灘購買組合が設立されます。

1945年11月には日本協同組合同盟、1951年には日本生協連が生協法に基づいて設立、初代会長として賀川豊彦が就任しました。生活協同組合の設立に大きく貢献した賀川豊彦は「生協の父」と呼ばれています

現在では、宅配サービスは当たり前になりましたが、1921年に神戸で起こった購買組合が発端です。当時は台車に食品を積んで各家庭に回ったわけですが町の人からは「購買さん」と呼ばれて親しまれていました。「コープの宅配サービス」はいわば日本国内の「宅配サービス」における原点といえるわけなのです。

賀川豊彦以前にも協同組合の活動はあった

1920年の賀川豊彦による協同組合活動以前にも、イギリスのロッチデールで起こった公正開拓者組合の活動の情報は伝わっていました。これに基づき1870年に東京では共立商社、同益社が、大阪に共立商店といった消費協同組合を立ち上げたことがありました。しかし、社会実験的な面が強く最終的には立ち消えに終わっています

1920年に始まる賀川豊彦の協同組合活動のもととなる産業組合法の制定の布石になったこともあり、日本の協同組合の歴史に影響を与えています。

これからコープ(生協)が目指すもの

消費者自らが意見を出し合って運営に参画し、できるだけ保存料を使わずに体に優しい安全で安心な食品を供給することコープが理想として掲げて行ってきた活動は社会全体のニーズとして広がっていきました。1950年代から1970年代の高度経済成長期には市場では薄められた牛乳や品質の安定しない卵なども普通に流通する時代でした。

危機感を持った組合員が意見を出し合うコープの活動によって、安全で安心な商品が組合員に供給されるようになったわけです。しかし、現在ではコープ以外の大手スーパーでも安全な食品の提供や宅配サービスは当たり前になりました。時代とともにコープは独自性を失ってしまったわけです。コープの次の目標としては再び地域の限られたコミュニティへと回帰していくことが模索されています。

高度経済成長期に増加した人口とともに、国内のそれぞれのコープが組織的な拡大を遂げましたが現在においては人口は減る一方。もともとコープの活動であった小さなコミュニティ内で助け合う精神に回帰しながら、次世代のコープカタチが求められています